長く使っているパソコン環境で、そこから別なOS(MacからWindowsなど)へ移行する際、DTPやWEBの作業では、文字表現に直結するフォントの移行が一番のネックになるのが日本の制作環境の特徴なのかもしれません。
日本語には英数字以外に漢字、カタカナ、ひらがながあり、それらのバランスを整えながら制作されている有料フォントには膨大な開発コストがかかります。
英語圏では多くのフォントがハイブリッド環境に対応できていて、OSをまたいでどちらか一方にしかフォントが無かったとしても、変換することが比較的容易な場合が多いように感じます。ウェブサイトでもそんなサービスをしているところもあったり、ソフトウェアとしてもフォントのコンバートソフトがあったりします。
日本語フォントでOSをまたいでハイブリッドで使用したいというニーズがあっても、DTP業界を席巻しているモリサワ、フォントワークスをはじめとする各フォントメーカーは、年間使用料を徴収することで経営を維持しているので、OSを移行する場合は、別途そのOS分の年間使用料が発生します。開発コストがかかっていることを考えればやむを得ないかもしれませんが、個人ユースとしてはなかなか手を出せない金額設定。
DTPの現場では、特にエディトリアル関係のグラフィックデザインで致し方ないことで、1つのOS環境でソフトのバージョンも制限して必要以上にアップデートもしないようにと、細心の注意を払って制作環境を維持しています。例えばモリサワフォントで同じフォントの指定でも、フォントのバージョンによってもエラーになることもあります。
そうではなく、自分だけで完結できるフリーランスのような場合は、モリサワなどの年間ライセンスに縛られないリーズナブルなフォントを使えばいいと思いますが、その場合はフォントの使用許諾が変わる、という認識が必要になります。
リーズナブルで様々なオリジナル性の高いフォントといえばダイナフォントですが、最近購入したかなりリーズナブルで、ちょっと目新しいフォントが同梱されていたFONTxFANもオススメです。個人で使用するにはデザインにバリエーションを広げる良いセットです。Mac、Windows、どちらにもインストールOKですが、有料販売するものへのデザインにこのフォントをメインで使用する場合は、使用許諾の範囲外になることがほとんどなので予めお気をつけ下さい。一般的なチラシ、リーフレット、パンフレット、ポスター、パッケージ、Webデザインエレメントやバナー広告など、無料配布のものへはどんどん何度でも使用できます。
え?パッケージは商品が有料だよね?って思われそうですが、パッケージは商品に付随する広告とみなされます。飲み終わった飲料は捨てるでしょうし、空箱をとっておくこともそうそうしない…ん?これはどうなんだろう??↓↓
これはかなり特例的なケースですが、もし自分だったらFONTxFANのフォントは、ここでの使用は見合わせて、モリサワ、フォントワークスなどのものにするでしょう。なぜなら使用許諾の範囲に収まりそうだから。また不明でも容易に確認がとれそうだから。